5-2-3-9図<1>は,平成18年から27年の各年の出所受刑者について,2年以内再入率の推移を出所事由別に見たものである。総数及び満期釈放者の2年以内再入率は,18年以降わずかながら低下傾向にあり,27年は総数では18.0%(前年比0.6pt低下),満期釈放者では27.2%(同0.1pt低下)であった。仮釈放者の2年以内再入率は,23年以降わずかながら上昇していたが,27年は低下し,11.2%(同0.6pt低下)であった。同年の出所受刑者の2年以内再入率を,18年の出所受刑者と比べると,総数では2.9pt,満期釈放者では4.1pt,仮釈放者では0.3pt,いずれも低下している。また,2年以内再入率について,総合対策(本編第1章参照)との関係で見ると,28年末時点での再入率は,基準値(20%)から2.0pt低下している。
5-2-3-9図<2>は,平成15年から24年の各年の出所受刑者について,5年以内再入率の推移を出所事由別に見たものである。24年の出所受刑者の5年以内再入率は,15年の出所受刑者と比べて,総数では4.3pt,満期釈放者では5.3pt,仮釈放者では4.5pt,いずれも低下している。
5-2-3-10図は,平成18年から27年の各年の出所受刑者について,2年以内再入率の推移を男女別,年齢層別及び罪名別に見たものである。
男性の2年以内再入率は,女性と比べて一貫して高いものの,最近10年間では緩やかに低下しており,平成27年は18.5%と,18年と比べて3.0pt低下している。一方,女性の2年以内再入率は,出所年によって変動があるものの,最近では26年から2年連続で低下しており,27年は12.6%(前年比1.0pt低下)であった。
年齢層別の2年以内再入率は,29歳以下の年齢層が一貫して最も低く,65歳以上の高齢者層は,出所年によって変動が大きいものの,29歳以下及び30〜64歳の年齢層と比べると一貫して最も高く,平成27年は23.2%と,前年と比べて2.8pt上昇した。もっとも,18年と比べると8.7pt低下している(なお,30〜39歳,40〜49歳,50〜59歳,60〜64歳の各年齢層の2年以内再入率の推移については,CD-ROM参照)。
罪名別の2年以内再入率は,窃盗が他の罪名と比べて一貫して最も高いものの,低下傾向にあり,平成27年は23.2%と,18年と比べて5.2pt低下している。詐欺は,出所年によって変動があるものの,21年以降は毎年低下しており,27年は13.6%と,18年と比べて13.4pt低下している。傷害・暴行は,出所年によって変動が大きいものの,27年は16.2%と,18年と比べて3.2pt低下している。一方,覚せい剤取締法違反の2年以内再入率は,20%前後で推移し,27年は19.2%と,18年と比べても0.7ptの低下にとどまっており,他の罪名と比べて低下の幅が小さい。