この項では,出所受刑者(仮釈放又は満期釈放により刑事施設を出所した者に限る。以下この節において同じ。)の再入所状況について概観する。ここで,出所受刑者の再入率とは,各年の出所受刑者人員のうち,出所後の犯罪により,受刑のため刑事施設に再入所した者の人員の比率をいう(以下同じ。)。また,2年以内再入率とは,各年の出所受刑者人員のうち,出所年を1年目として,2年目,すなわち翌年の年末までに再入所した者の人員の比率をいう。5年以内及び10年以内の各再入率も,同様に,各年の出所受刑者人員のうち,出所年を1年目として,それぞれ5年目及び10年目の各年の年末までに再入所した者の人員の比率をいう。なお,同一の出所受刑者について,出所後,複数回の刑事施設への再入所がある場合には,その最初の再入所を計上している。
5-2-3-6図は,平成19年及び24年の各出所受刑者について,5年以内又は10年以内の再入率を出所事由別(仮釈放又は満期釈放の別をいう。以下同じ。)に見たものである。いずれの出所年の出所受刑者においても,満期釈放者は,仮釈放者よりも再入率が相当高い。また,24年の出所受刑者について見ると,総数のうち約4割の者が,5年以内に再入所しており,そのうち約半数の者が,2年以内に再入所している。19年の出所受刑者について見ると,10年以内再入率は,満期釈放者では57.4%,仮釈放者では35.5%であるが,そのうち,5年以内に再入所した者は,それぞれ,10年以内に再入所した者の約9割,約8割を占めている。
5-2-3-7図は,平成19年及び24年の各出所受刑者について,5年以内又は10年以内の再入率を入所度数別に見たものである。入所度数が多いほど再入率は高く,特に入所度数が1度の者(初入者)と2度の者の差は顕著である。
5-2-3-8図は,平成24年の出所受刑者について,出所事由別の5年以内再入率を罪名別に見たものである。覚せい剤取締法違反及び窃盗は,他の罪名と比べ,満期釈放者・仮釈放者共に,5年以内再入率が高い。また,詐欺の満期釈放者は,覚せい剤取締法違反及び窃盗の満期釈放者に次いで,5年以内再入率が高い。