4-8-2-4図は,高齢者について,仮釈放者及び保護観察付全部執行猶予者の保護観察開始人員並びに仮釈放率等の推移(最近10年間)を見たものである。高齢者の仮釈放者は増加傾向にあるが,高齢者の仮釈放率は,出所受刑者全体の仮釈放率と比べて,常に低い。これは,高齢者では,引受人がいないなど,釈放後の帰住先が確保できない者が多いことなどによると考えられる。また,保護観察付全部執行猶予者総数に占める高齢者の比率も上昇傾向にあり,平成28年は,9.2%であって,19年に比べると,約1.8倍である。
なお,高齢の保護観察対象者に対する福祉的支援については,第2編第5章第1節2項及び第5節2項並びに第7編第3章第1節2項参照。