平成18年度から,法務省は,受刑者等の出所時の就労の確保に向けて,刑事施設及び少年院に就労支援スタッフを配置するとともに,厚生労働省と連携し,刑務所出所者等総合的就労支援対策を実施している。この施策は,刑事施設,少年院,保護観察所及びハローワークが連携する仕組みを構築した上で,支援対象者の希望や適性等に応じ,計画的に就労支援を行うものであるが,その一環として,刑事施設では,支援対象者に対し,ハローワークの職員による職業相談,職業紹介,職業講話等を実施している(詳細については,第7編第3章第1節3項(1)ア(ア),保護観察所における就労支援については,本編第5章第2節2項(4)及び第7編第3章第1節3項(2)をそれぞれ参照)。
また,平成25年2月に,日本財団及び関西の企業7社が,少年院出院者や刑務所出所者の更生と社会復帰を目指す「職親プロジェクト」を発足させた(詳細については,第7編第3章第1節3項(1)ウ参照)。
平成26年2月からは,刑務所出所者等の採用を希望する事業者が,矯正施設を指定した上でハローワークに求人票を提出することができる「受刑者等専用求人」の運用が開始され,事業者と就職を希望する受刑者とのマッチングの促進に努めている(詳細については,第7編第3章第1節3項(1)ア(イ)参照)。
さらに,受刑者等の就労先を在所中に確保し,出所後速やかに就労に結び付けるため,東京矯正管区及び大阪矯正管区にそれぞれ設置された矯正就労支援情報センター室(通称「コレワーク」。以下「コレワーク」という。)が,平成28年11月から業務を開始した。コレワークは,受刑者等の帰住地や取得資格などの情報を一括管理し,出所者等の雇用を希望する企業の相談に対応して,企業のニーズに適合する者を収容する施設の情報を提供するなどして,広域的な就労支援等に取り組んでいる(詳細については,第7編第3章第1節3項(1)イ参照)。