総合法律支援法(平成16年法律第74号)による総合的な支援体制の中核的な役割を果たすものとして,平成18年4月,日本司法支援センター(通称「法テラス」。以下「法テラス」という。)が設立され,東京都に主たる事務所を置くほか,各地方裁判所本庁所在地等に事務所を置き,同年10月から業務を開始している。
法テラスは,刑事司法に関しては,犯罪被害者等の支援業務(第6編第2章第1節3項(1)及び6項参照)及び国選弁護人の選任に関する業務等を行っている。
国選弁護人の選任に関する業務は,被疑者・被告人に国選弁護人を選任する必要がある場合に,裁判所等の求めに応じ,法テラスと契約している弁護士(常勤弁護士を含む。)を国選弁護人の候補に指名して裁判所に通知し,裁判所において国選弁護人に選任された弁護士にその事務を行わせるというものである。平成28年度の法テラスにおける国選弁護人選任の受理件数は,被疑者に関するものが6万6,579件(前年度比3,814件減)であったほか,被告人に関するものが5万6,388件(同3,116件減)であった(法テラスの資料による。)。