平成18年度から,法務省は,受刑者等の出所時の就労の確保に向けて,刑事施設及び少年院に就労支援スタッフを配置するとともに,厚生労働省と連携し,刑務所出所者等総合的就労支援対策を実施している。この施策は,刑事施設,少年院,保護観察所及び公共職業安定所が連携する仕組みを構築した上で,支援対象者の希望や適性等に応じ,計画的に就労支援を行うものであるが,その一環として,刑事施設では,支援対象者に対し,公共職業安定所の職員による職業相談,職業紹介,職業講話等を実施している(保護観察所における就労支援は,本編第5章第2節2項(4)参照)。
また,平成25年2月に,日本財団及び関西の企業7社が,少年院出院者や刑務所出所者の更生と社会復帰を目指す「職親プロジェクト」を発足させた。同プロジェクトは,少年院出院者や刑務所出所者に就労体験の機会を提供することで,円滑な社会復帰を支援するとともに,再犯率の低下の実現を目指すこととしており,矯正施設,保護観察所等関係機関と連携し,5年間で100人の少年院出院者・刑務所出所者の社会復帰を支援することとしている。28年6月末現在で42社が参加し,着実に実績を積み重ねている(日本財団の資料による。)。
さらに,平成26年2月からは,刑務所出所者等の採用を希望する事業者が,矯正施設を指定した上で公共職業安定所に求人票を提出することができる「受刑者等専用求人」の運用が開始され,事業者と就職を希望する受刑者とのマッチングの促進に努めている。