強姦,強制わいせつの入所受刑者人員の推移(最近30年間)を見ると,6-2-4-1図のとおりである。強姦は,平成16年以降減少傾向にあり,26年は282人と最近30年間では最も少なかった。強制わいせつは,26年は366人と,昭和60年と比べると約3倍であった。
強姦,強制わいせつの入所受刑者の年齢層別人員の推移(最近20年間)を見ると,6-2-4-2図のとおりである。
強姦では,39歳以下の各年齢層の人員は,いずれも平成16年以降減少傾向にあり,特に,29歳以下では,26年の人員は7年と比べるとほぼ半減している。29歳以下と30〜39歳を合わせると,一貫して6割以上を占めている。
強制わいせつでは,65歳以上の年齢層を除いた各年齢層において,いずれも平成26年の人員は7年と比べて倍増している。特に65歳以上の人員は,約6.3倍に増加した。29歳以下と30〜39歳を合わせると,一貫して約6割を占めている。強姦,強制わいせつ共に,入所受刑者総数(2-4-1-5図CD-ROM参照)と比べると,29歳以下と30〜39歳を合わせた人員の割合が高い。
強姦,強制わいせつの入所受刑者の入所度数別構成比の推移(最近20年間)を見ると,6-2-4-3図のとおりである。強姦,強制わいせつ共に,入所受刑者総数と比べると,入所度数が1度の者の割合が顕著に高い。
平成22年から26年までの強姦,強制わいせつの入所受刑者の居住状況別構成比を年齢層別に見ると,6-2-4-4図のとおりである。強姦,強制わいせつ共に,入所受刑者総数と比べると,全ての年齢層において,住居不定の者の割合が低い。また,入所受刑者総数では,年齢層が上がるにつれ,住居不定の者の割合が高くなり,高齢者で最も高く,25.8%であった。他方,強姦,強制わいせつにおける高齢者の住居不定の者の割合は,それぞれ1割未満であった。
平成22年から26年までの強姦,強制わいせつの入所受刑者の婚姻状況別構成比を年齢層別に見ると,6-2-4-5図のとおりである。各総数では,強姦,強制わいせつ共に,入所受刑者総数と比べると,未婚の割合が高く,離死別の割合が低い。年齢層別では,強姦,強制わいせつ共に,入所受刑者総数と比べて,50歳以上の者に配偶者(内縁関係にある者を含む。以下この章において同じ。)が有る割合が高く,強制わいせつの高齢者では顕著に高い。
平成22年から26年までの強姦,強制わいせつの入所受刑者の就労状況別構成比を初入者,再入者別に見るとともに,これを年齢層別に見ると,6-2-4-6図のとおりである。各総数では,強姦,強制わいせつ共に,入所受刑者総数と比べると,初入者,再入者のいずれも有職者の割合が高い。
平成22年から26年までの強姦,強制わいせつの入所受刑者の教育程度別構成比を見ると,6-2-4-7図のとおりである。強姦,強制わいせつ共に,入所受刑者総数と比べて,高校卒業以上の学歴を有する者の割合が高い。
平成22年から26年までの強姦,強制わいせつの入所受刑者の精神診断別構成比を見ると,6-2-4-8図のとおりである。
平成22年から26年までの強姦,強制わいせつの出所受刑者(仮釈放又は満期釈放により刑事施設を出所した者に限る。以下この章において同じ。)の帰住先別構成比を出所事由別(仮釈放又は満期釈放の別をいう。以下この章において同じ。)に見ると,6-2-4-9図のとおりである。強姦,強制わいせつの仮釈放者は,仮釈放者総数と比べて,いずれも父・母のもとに帰住する者の割合が顕著に高く,配偶者やその他の親族のもとに帰住する者も含めると,8割以上の者が親族のもとに帰住している。強姦,強制わいせつの満期釈放者も,満期釈放者総数と比べて,いずれも父・母のもとに帰住する者の割合が高いが,帰住先が「その他」の者も約4割を占めている。