4-1-3-4図は,平成17年及び22年の出所受刑者(仮釈放又は満期釈放により刑事施設を出所した者に限る。以下この項において同じ。)について,出所年を含む5年間又は10年間における累積再入率(各年の年末までに再入所した者の累積人員の比率をいう。以下この項において同じ。)を出所事由別(仮釈放又は満期釈放の別をいう。以下この項において同じ。)に見たものである。
満期釈放者は,仮釈放者よりも累積再入率は相当高い。平成17年の出所受刑者について見ると,10年以内の累積再入率は,満期釈放者では59.8%,仮釈放者では38.2%であるが,そのうち,5年以内に再入所した者は,それぞれ,10年以内に再入所した者の約9割,約8割を占めている。また,満期釈放者の場合,5年以内及び10年以内に再入所した者の過半数は,2年以内に再入所している。
4-1-3-5図は,平成22年の出所受刑者について,出所年を含む5年間における出所事由別累積再入率を罪名別に見たものである。覚せい剤取締法違反及び窃盗は,他の罪名と比べ,満期釈放者・仮釈放者共に,5年以内の累積再入率が高い。また,詐欺の満期釈放者は,覚せい剤取締法違反及び窃盗の満期釈放者に次いで,累積再入率が高い。
4-1-3-6図は,平成17年及び22年の出所受刑者について,出所年を含む5年間又は10年間における累積再入率を入所度数別に見たものである。入所度数が多いほど累積再入率は高く,特に入所度数が1度の者(初入者)と2度の者の差は顕著である。
4-1-3-7図<1>は,平成16年から25年の各年の出所受刑者について,出所年を含む2年間における累積再入率(2年以内累積再入率)の推移を出所事由別に見たものである(第2編第6章3項参照)。総数及び満期釈放者の2年以内累積再入率は,18年以降わずかながら低下傾向にあるのに対し,仮釈放者の2年以内累積再入率は,23年以降わずかながら上昇している。25年の出所受刑者の2年以内累積再入率は,総数では18.1%(前年比0.4pt低下),満期釈放者では26.7%(同0.6pt低下),仮釈放者では11.2%(同0.2pt上昇)であった。
4-1-3-7図<2>は,平成16年から25年の各年の出所受刑者について,2年以内累積再入率の推移を年齢層別に見たものである。29歳以下の年齢層が一貫して最も低く,年齢層が上がるにつれて高くなる傾向にある。25年の出所受刑者の2年以内累積再入率は,前年と比べ,49歳以下の各年齢層において,いずれも低下したのに対し,50歳以上の各年齢層においては上昇した。65歳以上の高齢者層の2年以内累積再入率は,他の年齢層と比べて,平成21年以降大きく低下していたが,25年は前年より2.0pt上昇した。