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平成27年版 犯罪白書 第2編/第6章/3

3 犯罪対策

犯罪情勢の悪化を踏まえ,その対策を進めるため,平成15年9月,犯罪対策閣僚会議が設置され,同会議は,同年12月に「犯罪に強い社会の実現のための行動計画−「世界一安全な国,日本」の復活を目指して−」を,20年12月に「犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008」を策定した。

また,同会議は,平成24年7月,「再犯防止に向けた総合対策」を策定し,関係諸機関の連携による総合的な再犯防止対策の取組方針を示すとともに,対象者の特性に応じた指導及び支援の強化等を重点施策に掲げ,刑務所出所者及び少年院出院者の出所等年を含む2年間における刑務所等に再入所等する者の割合(4-1-3-7図<1>参照)について,過去5年における平均値(刑務所については20%,少年院については11%)を基準として,33年までに20%以上減少させるという数値目標を設定した。さらに,同会議は,25年5月,「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画の策定の基本方針について」を決定し,世界最高水準の安全なサイバー空間の構築,犯罪やテロに強い社会の構築,治安基盤の強化を基本的な取組方針とするとともに,再犯防止対策等を重点取組分野とするとの基本方針を示した。

そして,平成25年12月には,同会議における取りまとめを経て,「「世界一安全な日本」創造戦略」が閣議決定され,2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催を視野に,新たな治安上の脅威への対策を含め,官民一体となった的確な犯罪対策によって良好な治安を確保することにより,国民が安全で安心して暮らせる国であることを実感できる,「世界一安全な国,日本」を創り上げることを目指すこととされ,その中で,対象者の特性に応じた指導や支援の強化等の再犯防止対策を推進していくことなどの方針が示された。

さらに,同会議は,平成26年12月,「宣言:犯罪に戻らない・戻さない〜立ち直りをみんなで支える明るい社会へ〜」を決定し,刑務所出所者等の再犯防止の鍵となる「仕事」と「居場所」の確保に向けて,2020年(平成32年)までに「犯罪や非行をした者の事情を理解した上で雇用している企業の数を現在の3倍にする」,「帰るべき場所がないまま刑務所から社会に戻る者の数を3割以上減少させる」という二つの数値目標を設定するなどしており,再犯防止対策の着実な推進に向けた取組が加速している。