前の項目 次の項目       目次 図表目次 年版選択

平成26年版 犯罪白書 第4編/第1章/第3節/2

2 出所受刑者の再入所状況

4-1-3-4図は,平成16年及び21年の出所受刑者について,出所年を含む5年間又は10年間における累積再入率(各年の年末までに再入所した者の累積人員の比率をいう。以下この項において同じ。)を出所事由別(満期釈放又は仮釈放の別をいう。以下この項において同じ。)に見たものである。

満期釈放者は,仮釈放者よりも累積再入率は相当高い。平成16年の出所受刑者について見ると,10年以内の累積再入率は,満期釈放者では60.8%,仮釈放者では39.2%であるが,そのうち,5年以内に再入所した者は,それぞれ,10年以内に再入所した者の約9割,約8割を占めている。

4-1-3-4図 出所受刑者の出所事由別累積再入率
4-1-3-4図 出所受刑者の出所事由別累積再入率
Excel形式のファイルはこちら

4-1-3-5図は,平成21年の出所受刑者について,出所年を含む5年間における出所事由別累積再入率を罪名別に見たものである。覚せい剤取締法違反及び窃盗は,他の罪名と比べ,満期釈放者・仮釈放者共に,5年以内の累積再入率が顕著に高い。

4-1-3-5図 出所受刑者の出所事由別5年以内累積再入率(罪名別)
4-1-3-5図 出所受刑者の出所事由別5年以内累積再入率(罪名別)
Excel形式のファイルはこちら

4-1-3-6図は,平成16年及び21年の出所受刑者について,出所年を含む5年間又は10年間における累積再入率を入所度数別に見たものである。入所度数が多いほど累積再入率は高く,特に入所度数が1度の者と2度の者の差は顕著である。

4-1-3-6図 出所受刑者の入所度数別累積再入率
4-1-3-6図 出所受刑者の入所度数別累積再入率
Excel形式のファイルはこちら

4-1-3-7図<1>は,平成15年から24年の各年の出所受刑者について,出所年を含む2年間における累積再入率の推移を出所事由別に見たものである(第2編第6章2項P91参照)。出所受刑者総数,満期釈放者の2年以内の累積再入率は,18年以降わずかながら低下傾向にあるが,仮釈放者の2年以内の累積再入率は,19年以降ほぼ横ばいである。24年の出所受刑者の2年以内の累積再入率は,総数では18.6%(前年比0.8pt低下),満期釈放者では27.3%(同1.0pt低下),仮釈放者では11.0%(同0.1pt上昇)であった。

4-1-3-7図<2>は,平成15年から24年の各年の出所受刑者について,出所年を含む2年間における累積再入率の推移を年齢層別に見たものである。15年以降一貫して,29歳以下の年齢層が最も低く,年齢層が上がるにつれて高くなる傾向にある。24年の出所受刑者の2年以内の累積再入率は,いずれの年齢層においても前年と比べて低下した。65歳以上の高齢者層の2年以内の累積再入率は,他の年齢層と比べて最近大きく低下しており,24年の出所受刑者は20年と比較して6.9pt低下している。

4-1-3-7図 出所受刑者の2年以内累積再入率の推移
4-1-3-7図 出所受刑者の2年以内累積再入率の推移
Excel形式のファイルはこちら