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平成26年版 犯罪白書 第1編/第4章

第4章 諸外国の犯罪動向との対比

この章では,主要な犯罪並びにそのうちの殺人及び窃盗について,我が国の認知件数,発生率及び検挙率の推移を,入手し得た公的資料の範囲内で,フランス(2012年は,国家憲兵隊の数値は除かれ,国家警察の数値に限る。),ドイツ,英国(イングランド及びウェールズに限る。以下この章において同じ。)及び米国の4か国と対比して見る。

なお,この章において,「主要な犯罪」とは,以下のものをいう。

日本:一般刑法犯

フランス:交通犯罪等を除く重罪及び軽罪(crime et délit)

ドイツ:交通犯罪等を除く重罪及び軽罪(Straftat)

英国:報告犯罪(notifiable offence:内務省が警察から報告を受けた犯罪)

米国:暴力犯罪及び財産犯罪(violent crime and property crime)(推定値)

我が国と前記4か国との間では,犯罪とされるものの範囲や犯罪の構成要件(ある行為がある犯罪に該当すると判断される要素や条件)が異なるほか,統計の取り方も同一ではない。また,特定の犯罪の認知件数等のみにより,犯罪動向を即断することも適当であるとはいえない。しかし,我が国の犯罪動向を分析するための参考資料とする観点からは,我が国と前記4か国の統計数値により,それぞれの国の犯罪動向を概括的に把握して,相互に比較することは有益であると考えられる。