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平成24年版 犯罪白書 第6編/第1節/3

3 犯罪者の処遇

平成17年2月,法務省は,再犯防止のための緊急的対策を発表し,これに基づき,矯正と更生保護の分野において,警察との受刑者出所情報及び所在不明の仮釈放者・保護観察付執行猶予者の情報の共有,性犯罪者に対する効果的処遇の実施,刑務所出所者等総合的就労支援対策の促進等の諸施策が実施されている。

成人矯正に関しては,平成15年12月の行刑改革会議の提言を受け,受刑者処遇法の制定(18年5月24日施行)及びその改正(これにより,同法は刑事収容施設法となった。19年6月1日施行)により,監獄法は廃止された。刑事収容施設法は,被収容者の権利義務を明確化し,また,受刑者の処遇は改善更生及び円滑な社会復帰を図ることを基本理念とすることを明らかにするとともに,様々な新たな処遇制度を導入したものであり,同法の下,受刑者処遇の充実・強化のための具体的取組は,従前よりも更に強力に推進されている(第2編第4章参照)。

更生保護に関しては,平成18年6月の更生保護のあり方を考える有識者会議の提言により,更生保護制度全般に関する改革の方向が示された。20年6月1日から,犯罪者予防更生法と執行猶予者保護観察法を整理・統合した更生保護法が施行され,遵守事項が整理されるなど,その提言に沿って保護観察処遇の充実が図られている(第2編第5章参照)。