刑事施設では,必要があるときは,篤志面接委員に,被収容者と面接し,専門的知識や経験に基づいて助言指導を行うことを依頼している。その助言指導の内容は,被収容者の精神的な悩みや,家庭,職業及び将来の生活に関するものから,趣味・教養に関するものまで様々である。平成23年末現在,篤志面接委員は1,175人であり,その内訳は,教育・文芸関係者424人,更生保護関係者140人,法曹関係者84人,宗教・商工・社会福祉関係者252人,その他275人である。同年の篤志面接の実施回数は1万4,279回であり,その内訳は,趣味・教養等の指導7,354回,家庭・法律・職業・宗教・保護等に関する相談3,118回,悩み事相談1,567回,その他2,240回であった(法務省矯正局の資料による。)。
刑事施設では,教誨師(民間の篤志の宗教家)に宗教上の儀式行事や教誨(読経や説話等による精神的救済)の実施を依頼し,被収容者がその希望に基づいてその儀式行事に参加し,教誨を受けられるように努めている。平成23年末現在,教誨師数は1,692人であり,同年の宗教上の儀式行事・教誨の実施回数は,集団に対して9,553回,個人に対して8,293回であった(法務省矯正局の資料による。)。
なお,矯正施設における民間協力については,第7編第2章第4節参照。