平成22年における保護観察処分少年,少年院入院者,若年保護観察付執行猶予者及び若年入所受刑者の保護処分歴別構成比を見ると,7-2-5-2図のとおりである。有保護処分歴者(前に保護処分を受けたことがある者)の割合は,少年院入院者,若年保護観察付執行猶予者,若年入所受刑者の順に高い。また,若年保護観察付執行猶予者の46.6%,若年入所受刑者の37.8%に保護処分歴があり,保護観察付執行猶予者(全体),入所受刑者(全体)と比べ,有保護処分歴者の割合が高い。これらの処分を受けた者の中には,少年時の非行傾向が十分に改善されず,刑事処分に至っている者が少なからずいると考えられる。なお,いずれの処分においても,有保護処分歴者の割合は,女子より男子が高く,少年院入院者では,21.4ptの差がある。
7-2-5-3表は,平成22年における保護観察処分少年,少年院入院者,若年保護観察付執行猶予者及び若年入所受刑者について,非行名・罪名別に有保護処分歴者の人員を見たものである。有保護処分歴者の占める比率は,保護観察処分少年では,毒劇法違反(32.3%),道路交通法違反(28.5%),少年院入院者では,道路交通法違反(80.2%),毒劇法違反(79.4%),恐喝(72.5%),暴行(69.2%),窃盗(68.9%),若年保護観察付執行猶予者では,毒劇法違反(77.8%),恐喝(61.8%),道路交通法違反(57.9%),窃盗(50.8%),傷害(50.4%),覚せい剤取締法違反(50.3%),若年受刑者では,暴行(56.3%),恐喝(53.6%),傷害(50.5%)の順で高い。