一般刑法犯により検挙された成人の有前科者(道路交通法違反を除く犯罪による前科を有する者に限る。)の人員及び有前科者率(成人による一般刑法犯検挙人員に占める有前科者の人員の比率をいう。)の推移(最近20年間)は,4-6-1-2図のとおりである。一般刑法犯により検挙された成人の有前科者の人員は,平成8年から増加し続けていたが,19年からは4年連続で若干減少し,22年は6万6,766人(前年比4.0%減)であった。他方,有前科者率は,3年以降22〜30%で推移している。22年に一般刑法犯により検挙された成人の有前科者を見ると,前科数別では,前科1犯の者の構成比が39.1%と最も高いが,前科5犯以上の者も21.9%を占め,また,同一罪種(警察庁の統計の区分による。)の前科を有する者は51.6%であった(警察庁の統計による。)。
4-6-1-3図は,平成22年における成人の一般刑法犯検挙人員の前科の有無別構成比を罪名別に見たものである。
成人の一般刑法犯全体の有前科者率は,28.2%であるが,強盗(46.0%),詐欺(39.8%)の有前科者率が顕著に高い。
同一罪種(警察庁の統計の区分による。)の前科を有する者の比率は,一般刑法犯全体では14.5%であるが,窃盗では19.3%と高く,同一罪種5犯以上の前科がある者の比率を見ると,一般刑法犯全体では1.6%であるが,窃盗では2.4%,詐欺では2.8%と高い。
なお,覚せい剤取締法違反(覚せい剤に係る麻薬特例法違反を含む。)について,前に同法違反で検挙され,再度,同法違反で検挙された者(同一罪名再犯者)の比率は,60.2%と,一般刑法犯の再犯者率と比べても高い水準にあり,さらに同法違反の起訴率が極めて高いこと(平成22年は83.5%)を踏まえると,同一罪名の前科がある者の割合も,一般刑法犯と比べて高いと推察される。