暴力団関係者(この項において,犯行時に暴力団対策法に規定する指定暴力団等に加入していた者及びこれに準ずる者をいう。)の入所受刑者人員の推移(最近30年間)は,4-2-3-2図のとおりである。平成22年において,その人員は,2,592人であり,入所受刑者総数の9.6%を占める。同年における入所受刑者中の暴力団関係者について,その地位別内訳を見ると,幹部781人,組員1,545人,地位不明の者266人であった(矯正統計年報による。)。
ア 年齢
平成22年における入所受刑者中の暴力団関係者の年齢層別構成比を見ると,40歳代の者が33.2%で最も高く,以下,30歳代(32.1%),20歳代(14.4%),50歳代(12.8%),60歳以上(7.5%)の順であった(矯正統計年報による。)。
イ 罪名
平成22年の入所受刑者を暴力団関係者とそれ以外の者とに分けて罪名別構成比を見ると,4-2-3-3図のとおりである。暴力団関係者では,それ以外の者と比べ,覚せい剤取締法違反,傷害,恐喝の構成比が高く,窃盗は相当低い。
ウ 刑期
平成22年における入所受刑者中の暴力団関係者の刑期別構成比を見ると,「1年を超え2年以下」の者が37.2%で最も高く,以下,「2年を超え3年以下」の者(27.5%),「3年を超え5年以下」の者(13.8%),「6月を超え1年以下」の者(10.6%),5年を超える者(無期刑を含む。)(8.6%),6月以下の者(2.2%)の順であった。暴力団関係者は,2年を超える刑期の者(無期刑を含む。)の構成比が50.0%であり,入所受刑者全体(41.4%)と比べて高い(矯正統計年報による。)。
エ 入所度数
平成22年の入所受刑者を暴力団関係者とそれ以外の者とに分けて入所度数別構成比を見ると,4-2-3-4図のとおりである。暴力団関係者では,入所度数が2度以上の者の構成比が77.2%,6度以上の者の構成比が21.1%と,それ以外の者(53.9%,13.3%)と比べて高い。