保護観察処分少年は,原則として,20歳に達するまで保護観察を受けるが,保護観察を継続しなくとも確実に改善更生することができると認められるに至ったときは,保護観察所の長の解除の決定により,保護観察は終了する。また,保護観察所の長の決定により,一定期間,指導監督,補導援護等を行わず経過を観察する一時解除の措置が執られることもある。少年院仮退院者は,少年院の収容期間(収容すべきであった期間)の満了まで保護観察を受けるが,保護観察を継続しなくとも確実に改善更生することができると認められるに至ったときは,保護観察所の長の申出に基づき地方更生保護委員会が退院を決定し,保護観察は終了する。平成22年に解除となった者は1万2,763人,一時解除となった者は52人,退院となった者は784人であった(保護統計年報による。)。
保護観察所の長は,保護観察処分少年が遵守事項を遵守しなかったときは,これを遵守するよう警告を発することができ,なお遵守事項を遵守せず,その程度が重いときは,家庭裁判所に対し,新たな保護処分として児童自立支援施設・児童養護施設送致又は少年院送致の決定をするように申請(施設送致申請)することができる。また,保護観察所の長は,保護観察処分少年について,新たにぐ犯事由があると認めるときは,家庭裁判所に通告することができる。平成22年に警告がなされた件数は170件,施設送致申請がなされた者は24人であり,通告された者は28人であった(法務省保護局の資料及び保護統計年報による。)。
少年院仮退院者が遵守事項を遵守しなかったときは,保護観察所の長の申出と地方更生保護委員会の申請を経て,家庭裁判所の決定により,少年院に再収容(戻し収容)することがある。平成22年に戻し収容となった者は16人であった(保護統計年報による。)。