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平成22年版 犯罪白書 第7編/第4章/第1節/2

2 重大事犯者の再犯の状況

調査対象者の再犯率(調査対象者について,再犯とは,出所のおおむね10年後までに,自動車運転過失致死傷・業過及び交通法令違反のみによる犯行を除いた出所後の犯行により禁錮以上の刑の言渡しを受けて確定したことである。)は,殺人17%,傷害致死33%,強盗39%,強姦39%,放火26%である(7‐2‐3‐1‐1図参照)。

重大事犯者は,満期釈放者と仮釈放者で再犯率のかい離が大きく,満期釈放者の再犯率は,殺人43%,傷害致死60%,強盗56%,強姦56%,放火34%であり,傷害致死,強盗及び強姦では,半数以上の者に再犯がある(7‐2‐3‐2‐17図参照。なお,平成12年の重大事犯での出所受刑者の10年内累積再入率について,7‐1‐3‐3図参照)。

再犯の罪名を限定して再犯率を見ると,まず,同種重大再犯の再犯率は,殺人0.8%,傷害致死3.9%,強盗8.3%,強姦9.4%,放火7.5%であり(7‐2‐3‐1‐1図参照),強盗,強姦及び放火で比較的高く,特に,強姦は,強制わいせつを含めた性犯による再犯率は16%,更に強盗強姦の再犯を含めると17%であり,その再犯状況は,かなり深刻である。また,殺人及び傷害致死では,粗暴犯(殺人・傷害致死を含む。以下この節において同じ。)及び財産犯の再犯率が高く(殺人で,それぞれ,5.5%,7.6%,傷害致死で,それぞれ,21%,13%),強盗及び強姦では,財産犯の再犯率(それぞれ,25%,17%)が高い(7‐2‐3‐1‐2表参照)。

重大事犯者のうち,出所後に再犯の犯行に及ぶ者がどの程度の期間で再犯に至るのかを,平成12年の重大事犯での出所受刑者で見ると,出所から10年内の累積再入所人員に占める6年以降の年に初めて再入所した者の比率は,殺人(23%),傷害致死(27%),強盗(21%)及び強姦(26%)で,出所受刑者全体(14%)と比べて相当高く,再犯リスクが長期間にわたって継続する傾向がうかがわれる(7‐1‐3‐3図参照)。