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 平成21年版 犯罪白書 第3編/第2章/第3節/2 

2 矯正

(1)暴力団関係受刑者の収容状況

 平成20年12月31日現在,受刑者中の暴力団関係者(犯行時において,暴力団対策法に規定する指定暴力団等の構成員及びこれに準ずる者をいう。以下,この項において同じ。)の人員及び比率は,3-2-3-2表のとおりである。

3-2-3-2表 暴力団関係受刑者の人員

 刑事施設においては,暴力団の構成員に対し,特別改善指導の一つとして,暴力団離脱指導(警察等と協力しながら,暴力団の反社会性を認識させる指導等を行い,離脱意志の醸成を図る等)を行っている(第2編第4章第3節3項(2)参照)。

(2)入所受刑者中の暴力団関係者の特徴

 平成20年における入所受刑者中の暴力団関係者の人員は,3,265人(入所受刑者総数の11.3%)であり,その地位別内訳は,幹部1,019人,組員1,898人,地位不明の者348人であった(矯正統計年報による。)。
 ア 年齢
 平成20年における入所受刑者中の暴力団関係者の年齢層別構成比を見ると,30歳代の者が35.5%で最も高く,以下,40歳代(27.4%),20歳代(15.7%),50歳代(13.7%),60歳以上(7.6%)の順であった(矯正統計年報による。)。
 イ 罪名
 平成20年における入所受刑者について,暴力団関係者とそれ以外の者ごとに,罪名別構成比を見ると,3-2-3-3図のとおりである。
 暴力団関係者では,それ以外の者と比べ,覚せい剤取締法違反,傷害,恐喝の構成比が高く,窃盗は相当低い。

3-2-3-3図 入所受刑者中の暴力団関係者・非関係者の罪名別構成比

 ウ 刑期
 平成20年における入所受刑者中の暴力団関係者の刑期別構成比を見ると,「1年を超え2年以下」の者が34.8%で最も高く,以下,「2年を超え3年以下」の者(27.7%),「3年を超え5年以下」の者(15.4%),「6月を超え1年以下」の者(11.6%),5年を超える者(無期刑を含む。)(8.1%),6月以下の者(2.5%)の順であった。暴力団関係者は,入所受刑者全体と比較して,「2年を超え3年以下」の者,「3年を超え5年以下」の者及び5年を超える者(無期刑を含む。)の構成比が高い(矯正統計年報による。)。
 エ 入所度数
 平成20年における入所受刑者中の暴力団関係者の入所度数別構成比を見ると,「1度」の者が25.2%で最も高く,以下,「2度」(19.9%),「3度」(15.5%),「4度」(11.5%),「5度」(8.2%)の順であり,「6〜9度」は14.5%,「10度以上」は5.2%であった。暴力団関係者は,入所受刑者全体と比較して,「1度」以外のすべての入所度数において構成比が高い(矯正統計年報による。)。