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 平成21年版 犯罪白書 第3編/第1章/第2節/1 

第2節 犯罪の動向

1 刑法犯

 3-1-2-1図は,外国人による一般刑法犯の検挙件数及び検挙人員の推移(昭和55年以降)を,来日外国人とその他の外国人の別に見たものである。
 外国人による一般刑法犯の検挙件数は,平成14年から増加し,17年に過去最多の4万3,622件を記録した後,18年から減少に転じ,20年は3万4,620件(前年比2,694件(7.2%)減)であった。検挙人員は,11年から増加し,17年に過去最多の1万4,786人を記録した後,18年から減少に転じ,20年は1万2,611人(同728人(5.5%)減)であった(CD-ROM資料3-1参照)。同年における一般刑法犯検挙人員総数(33万9,752人)に占める外国人の比率は3.7%であった。
 来日外国人とその他の外国人の別に見ると,一般刑法犯による来日外国人の検挙は,件数で平成5年から,人員で3年から,その他の外国人を上回っている。また,その時期以降,外国人の検挙件数の推移は,来日外国人の検挙件数の増減を反映するものとなっているが,来日外国人の検挙件数は,14年から増加し,17年に過去最多となった後,減少に転じ,20年は2万3,202件(前年比2,528件(9.8%)減)であった。その検挙人員は,16年に過去最多となった後,減少に転じ,20年は7,148人(同380人(5.0%)減)であった。

3-1-2-1図 外国人による一般刑法犯 検挙件数・検挙人員の推移

 平成20年における来日外国人による一般刑法犯の検挙件数の罪名別構成比を見ると,3-1-2-2図のとおりであり,窃盗が83.0%を占めている(なお,検挙人員の数と比べて検挙件数の数の数字が大きいのは,窃盗の比率が高く,一人の者が複数の事件で検挙される程度が高いためであると考えられる。)。

3-1-2-2図 来日外国人による一般刑法犯 検挙件数の罪名別構成比

 3-1-2-3図は,来日外国人による窃盗,強盗,傷害・暴行等について,検挙件数の推移(最近10年間)を見たものである。
 窃盗の検挙件数は,平成17年に過去最多を記録した後,18年から減少に転じ,20年は1万9,266件(前年比2,061件(9.7%)減)であったが,侵入窃盗については,最近10年間,おおむね増加傾向にあり,20年は,前年より8.6%増加している。傷害・暴行の検挙件数は,最近の10年間で増加が著しく,20年は,11年と比較して約3.3倍になっている。

3-1-2-3図 来日外国人による窃盗等 検挙件数の推移