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 平成21年版 犯罪白書 第2編/第6章/第3節/1 

第3節 捜査・司法に関する国際共助

1 捜査共助等

 我が国は,逃亡犯罪人の引渡しについてと同様に,捜査共助条約を締結していない外国との間でも,その国の刑事事件の捜査に必要な証拠の提供の共助の要請を受けた場合,国際捜査共助等に関する法律(昭和55年法律第69号)が定める要件及び手続に基づき,相互主義の保証の下で,外交ルートを通じ,捜査共助を行うことが可能であり,また,これによって,その国の法令が許す限り,捜査に必要な証拠の提供を受けることもできる。
 さらに,我が国は,刑事に関する共助に関する日本国とアメリカ合衆国との間の条約(2006年発効),刑事に関する共助に関する日本国と大韓民国との間の条約(2007年発効),刑事に関する共助に関する日本国と中華人民共和国との間の条約(2008年発効)及び刑事に関する共助に関する日本国と中華人民共和国香港特別行政区との間の協定(2009年9月発効)を締結している。また,刑事に関する共助に関する日本国とロシア連邦との間の条約について署名済みであり,欧州連合(EU)との間でも,刑事共助協定締結に向けた交渉が行われている。これらの捜査共助条約又は協定は,拒否事由がない限り,相互に共助の実施を義務付けるほか,共助の要請・受理を行う「中央当局」を指定(我が国の場合は,要請については,法務大臣若しくは国家公安委員会又はこれらがそれぞれ指定する者であり,要請の受理については,法務大臣又はこれが指定する者である。)し,外交ルートを経由することなく,中央当局間で要請を行うものとすることで,捜査共助の迅速化・効率化を図るものである。
 外国との間で,捜査共助を要請し,又は要請を受けた件数(最近10年間)は,2-6-3-1表のとおりである。なお,捜査共助の要請についても,我が国から要請する場合,検察庁が依頼する場合と警察等が依頼する場合とがある。

2-6-3-1表 捜査共助件数