前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成20年版 犯罪白書 第7編/第4章/第1節/4 

4 高齢受刑者等に対する医療等の状況

 平成19年中に休養患者として処遇された既決拘禁者(受刑者,死刑確定者及び労役場留置者)の病名を年齢層別に見ると,7-4-1-3表のとおりである。
65歳未満の既決拘禁者(以下,本項において「非高齢既決者」という。)の病名では,呼吸器系の疾患が6,714人(34.9%)と最も多く,次いで,筋骨格系及び結合組織の疾患3,165人(16.5%),消化器系の疾患2,765人(14.4%)の順であった。
65歳以上の既決拘禁者(以下,本項において「高齢既決者」という。)の病名では,呼吸器系の疾患が493人(23.8%)と最も多く,次いで,消化器系の疾患303人(14.6%),循環器系の疾患298人(14.4%)の順であった。
 高齢既決者は,非高齢既決者と比べて,循環器系の疾患及び新生物(腫瘍)を有する者が多いのが目立つ。

7-4-1-3表 既決拘禁者の病名別・年齢層別人員

 高齢既決者の休養患者(医師の診療を受けた者のうち医療上の必要により病室又はこれに代わる室に収容されて治療を受けた者のことをいう。)数及び高齢者比の推移(最近20年間)は,7-4-1-4図のとおりである。

7-4-1-4図 高齢既決者の休養患者数及び高齢者比の推移

 高齢既決者の休養患者数は増加傾向にあり,昭和63年には299人であったが,平成19年には2,072人となった。既決拘禁者の休養患者に占める高齢既決者の比率も,昭和63年には2.7%であったが,平成19年には9.7%となり,上昇傾向にある(矯正統計年報による。)。