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 平成20年版 犯罪白書 第1編/第3章/第2節/1 

第2節 財政経済犯罪

1 財政犯罪

(1)検察庁における受理状況等
 所得税法(昭和40年法律第33号),相続税法(昭和25年法律第73号),法人税法(昭和40年法律第34号),消費税法(昭和63年法律第108号)及び地方税法(昭和25年法律第226号)の各違反(以下「各税法違反」という。)の検察庁新規受理人員の推移(最近10年間)は,1-3-2-1図のとおりである。
 平成19年は,前年より,法人税法違反が79件(35.1%),地方税法違反が67件(43.2%)減少したが,消費税法違反が38件(118.8%)増加したほか,所得税法違反,相続税法違反も前年に引き続き増加した。

1-3-2-1図 各税法違反の検察庁新規受理人員の推移

 国税当局から検察官に告発された税法違反事件の告発件数及び1件当たりの脱税額(最近5年間)は,1-3-2-2表のとおりである。
 平成19年度(会計年度)においては,脱税額が3億円以上の事件は20件,このうち5億円以上の事件は7件であった(国税庁の資料による。)。

1-3-2-2表 税法違反事件の告発件数・1件当たりの脱税額

(2)検察庁における処理状況
 検察庁における各税法違反の起訴・不起訴人員等(最近5年間)は,1-3-2-3表のとおりである。
 平成19年における起訴人員中,所得税法違反93人のうち1人,地方税法違反70人のうち17人が略式命令請求であったほかは,すべて公判請求であった(検察統計年報による。)。

1-3-2-3表 各税法違反の起訴・不起訴人員

(3)裁判所における処理状況
 平成19年の通常第一審における各税法違反の終局処理人員(移送その他を除く。)は,所得税法違反65人(有期懲役61人,罰金4人),相続税法違反7人(有期懲役7人),法人税法違反182人(有期懲役82人,罰金93人,公訴棄却決定7人),消費税法違反23人(有期懲役14人,罰金9人),地方税法違反29人(有期懲役23人,罰金6人)であった(司法統計年報及び最高裁判所事務総局の資料による。財政経済犯罪の平成17年から19年までの通常第一審における懲役刑の科刑状況については,CD-ROM資料1-6参照)。