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 平成20年版 犯罪白書 第1編/第1章/第2節/9 

9 組織的犯罪

 組織的犯罪処罰法違反の検察庁新規受理人員(最近5年間)は,1-1-2-10表のとおりである。
 平成12年の組織的犯罪処罰法施行後,年々新規受理人員を伸ばしている。犯行態様別に見ると,19年は,組織的な詐欺が最も多く,次いで,犯罪収益等隠匿,同収受の順であった。

1-1-2-10表 組織的犯罪処罰法違反の検察庁新規受理人員

 組織的犯罪処罰法の没収・追徴規定の通常第一審における適用状況(最近5年間)は,1-1-2-11表のとおりである。

1-1-2-11表 組織的犯罪処罰法の没収・追徴規定の通常第一審における適用状況

 なお,組織的犯罪については,犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案が第163回国会に提出され,その後,第170回国会まで継続審議となっている。同法律は,近年における犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化の状況にかんがみ,[1]「国際組織犯罪防止条約」を締結するため,組織的な犯罪の共謀罪及び証人等買収罪を新設するほか,犯罪収益の前提犯罪の拡大など犯罪収益関係規定の整備等を行うこと,[2]組織的に実行される悪質かつ執ような強制執行妨害事犯等に適切に対処するため,強制執行を妨害する行為の処罰対象を拡充し,法定刑を引き上げるなどの法整備を行うこと,[3]ハイテク犯罪に対処するとともに,「サイバー犯罪に関する条約」を締結するため,不正指令電磁的記録(コンピュータ・ウイルス)作成等の行為についての処罰規定及び電磁的記録に係る記録媒体に関する証拠収集手続の規定の整備等を行うことを内容とする。