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 平成19年版 犯罪白書 第2編/第3章/第1節/3 

3 上訴審

 平成18年の通常第一審の終局裁判に対する上訴率(公訴棄却の決定及び正式裁判請求の取下げを除く終局処理人員に占める,上訴(控訴及び跳躍上告)人員の比率をいう。)は,地方裁判所では10.7%,簡易裁判所では5.9%であり,前年とほぼ同水準である。同年の高等裁判所における控訴事件の終局処理人員9,344人を受理区分別に見ると,被告人側のみの控訴申立てによるものが9,086人,検察官のみの控訴申立てによるものが203人,双方からの控訴申立てによるものが55人であった(司法統計年報による。)。
 平成18年における高等裁判所の控訴審としての罪名別終局処理人員は,2-3-1-4表のとおりである。

2-3-1-4表 控訴審罪名別終局処理人員

 控訴棄却が62.6%と最も多く,次いで,取下げ(21.0%),破棄自判(15.8%)の順であった。
 高等裁判所における破棄理由を見ると,破棄人員総数1,490人中,判決後の情状によるものが790人と最も多く,次いで,量刑不当(295人),事実誤認(106人)の順であった。破棄自判の結果,第一審の裁判が覆って無罪となった者は,20人であった(司法統計年報による。)。
 平成18年において,検察官が第一審の無罪判決を不服として控訴した36人の被告人のうち25人については,第一審判決が覆されて有罪となっている(検察統計年報による。)。
 平成18年に言い渡された控訴審判決に対する上告率(控訴棄却の決定,公訴棄却の決定及び取下げを除く終局処理人員に占める,上告人員の比率をいう。)は39.1%であり,第一審の終局裁判に対する上訴率よりも高かった。
 平成18年における最高裁判所の上告事件の終局処理人員は,2,779人(第一審が高等裁判所であるものを含む。)であり,その内訳は,上告棄却2,136人(76.9%),取下げ634人(22.8%),公訴棄却6人,破棄自判2人及び破棄差戻し1人であった(司法統計年報による。)。