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 平成19年版 犯罪白書 第1編/第3章/第3節/1 

第3節 ハイテク犯罪

1 ハイテク犯罪の動向

 コンピュータ・電磁的記録対象犯罪(電子計算機使用詐欺,電磁的記録不正作出・毀棄及び電子計算機損壊等業務妨害をいう。)の検挙件数(最近5年間)は,1-3-3-1表のとおりである。
 検挙件数総数は,平成15年からおおむね増加傾向にあり,18年は前年比約77%増となった。電磁的記録不正作出・毀棄が前年の約3.3倍と大幅に増加したほか,例年多くを占めている電子計算機使用詐欺も前年比約29%増となり,電子計算機損壊等業務妨害も増加した。

1-3-3-1表 コンピュータ・電磁的記録対象犯罪の検挙件数

 ネットワーク利用犯罪(インターネットを利用した詐欺,児童買春事案等,コンピュータ・ネットワークを利用した犯罪をいう。)の検挙件数(最近5年間)は,1-3-3-2表のとおりである。
 検挙件数総数は,最近5年間一貫して増加しており,平成18年は前年比約28%増となった。詐欺が全体の約44%を占め,そのうち約83%がインターネット・オークションに係るものである。また,商標法違反の検挙件数が前年の2倍に,児童の性的被害に係る犯罪(児童買春・児童ポルノ禁止法違反,青少年保護育成条例違反及び児童福祉法違反)の検挙件数が前年の約1.5倍に増加した(警察庁生活安全局の資料による。)。

1-3-3-2表 ネットワーク利用犯罪の検挙件数

 不正アクセス禁止法違反の検挙件数(最近5年間)は,1-3-3-3表のとおりである。
 平成18年の検挙件数は,17年に前年の約2倍に増加したのに続き,前年の2.5倍以上に増加し,同法律が施行された12年以降,最多を更新した。

1-3-3-3表 不正アクセス禁止法違反の検挙件数

 支払用カード電磁的記録に関する罪の認知件数及び検挙件数(最近5年間)は,1-3-3-4表のとおりである。
 平成18年は,認知件数が前年比約30%,検挙件数が同約36%減少した。

1-3-3-4表 支払用カード電磁的記録に関する罪の認知件数・検挙件数