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 平成18年版 犯罪白書 第6編/第5章/第6節 

第6節 裁判員制度実施に向けての問題点と方策

 平成21年5月27日までに施行される予定となっている裁判員法に基づく裁判員制度が円滑に実施され,司法のより強固な国民的基盤が確立されるようにするためには,国民が同制度の意義を十分に理解し,積極的に裁判に参加することが不可欠である。しかし,これまでのところ,裁判員制度に対する国民の理解は必ずしも十分なものとはいえず,新たな制度に対する不安も小さくないように思われる。そこで,まず,最高裁判所事務総局が,平成18年1月から2月にかけて,全国の20歳以上の男女の中から無作為に選んだ8,300人を対象として実施した「裁判員制度についてのアンケート(以下「最高裁アンケート」という。)の結果等に基づき,裁判員制度を実施するに当たって,現在どのような問題があるのかを探り,次いで,実施に向けての環境作りについて考える。
 なお,最高裁アンケートは,対象者に裁判員制度についての資料を事前に送付し,調査員が対象者を訪問した際,資料の内容を口頭で説明し,対象者に裁判員制度の概要を理解してもらった上で行われている。