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 平成18年版 犯罪白書 第6編/第5章/第5節/2 

2 裁判員裁判対象事件の動向

 裁判員裁判対象事件の罪名別通常第一審終局総人員(最近4年間)は,6-5-5-2表のとおりである。

6-5-5-2表 裁判員裁判対象事件の罪名別通常第一審終局総人員

 2年連続して増加していた終局総人員は,平成17年は,前年に比べてやや減少した。17年の終局総人員を罪名別に見ると,強盗致傷が871人(27.0%)と最も多く,次いで殺人(24.6%),現住建造物等放火(9.5%)の順であった。
 裁判員裁判対象事件の地方裁判所別新規受理件数(最近3年間)は,6-5-5-3表のとおりである。
 平成17年では,東京地方裁判所が487件(13.4%)と最も多く,次いで,大阪,名古屋,千葉,横浜,さいたま,福岡の各地方裁判所の順であった。

6-5-5-3表 裁判員裁判対象事件の地方裁判所別新規受理件数

 平成17年に地方裁判所が新規に受理した裁判員裁判対象事件総数(3,629件)につき,1事件当たりの裁判員候補者数を50〜100人と仮定した場合,全事件の裁判員候補者数は18万1,450人〜36万2,900人となり,これは17年9月11日現在の選挙人名簿登録者数(1億298万5,213人)の0.18〜0.35%である(最高裁判所事務総局の資料による。)。
 平成17年の裁判員裁判対象事件第一審終局総人員の開廷回数別構成比は,6-5-5-4図のとおりである。
 開廷回数が3回以下であったものが全体の約39%を占める。平均開廷回数は,5.8回であり,平均審理期間は,8.3月であった(最高裁判所事務総局の資料による。)。

6-5-5-4図 裁判員裁判対象事件の第一審終局総人員の開廷回数別構成比

 裁判員法は,裁判員裁判対象事件については,これを公判前整理手続に付さなければならないとしている(未施行)ところ,平成17年11月1日から18年4月30日までの間に,公判前整理手続に付された裁判員裁判対象事件のうち,同日までに第一審で判決の言渡しがあったものは35件あった。その開廷回数別構成比は,6-5-5-5図のとおりである。

6-5-5-5図 公判前整理手続に付された裁判員裁判対象事件の開廷回数別構成比

 平成17年の通常第一審における裁判員裁判対象事件の有罪人員の罪名別科刑状況は,6-5-5-6表のとおりである。
 15年を超える有期懲役刑言渡人員のうち,20年以下が127人であり,罪名別では,殺人が59人と最も多く,次いで,強盗致傷(27人),強盗強姦(17人)の順であった。また,「20年を超え25年以下」が3人であり,殺人1人,強盗致死2人であった。25年を超える有期懲役刑言渡人員はなかった(最高裁判所事務総局の資料による。)。

裁判員裁判の法廷イメージ

6-5-5-6表 通常第一審裁判員裁判対象事件の罪名別科刑状況