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刑訴法等改正法においては,検察審査会の議決に基づき公訴が提起される制度の導入をはじめ,検察審査会の機能強化等を内容とする検察審査会法(昭和23年法律第147号)の一部改正が行われた。
公訴権は,原則として,検察官のみに付与されており,検察官が不起訴処分とした事件についての検察審査会の議決には,いわゆる法的拘束力はないとされている。すなわち,検察官は,検察審査会の議決を参考にしつつも,公訴を提起するかどうかは最終的には自ら判断するものとされている(第5編第2章第1節1参照)。 刑訴法等改正法は,公訴権行使に民意をより反映させ,公訴権を付与されている検察官が独善に陥ることを防ぐとともに,公訴権行使をより一層適正なものとするため,検察審査会の議決に基づき公訴が提起される制度を導入した。新制度では,検察官が不起訴処分とし,検察審査会が「起訴相当」の議決を行った事件につき,検察官が再度不起訴処分にした場合又は一定期間内に公訴を提起しなかった場合には,検察審査会は,再度の審査を行わなければならないこととされた。そして,検察審査会が,再度の審査の結果,「起訴をすべき旨の議決」(以下「起訴議決」という。)を行ったときは,裁判所により検察官の職務を行う弁護士(以下「指定弁護士」という。)が指定され,この指定弁護士が,起訴議決に係る事件について,公訴を提起し,その維持に当たるものとされた。この制度は,公布の日から起算して5年を超えない範囲内(平成21年5月27日まで)において政令で定める日から施行するとされている。 |