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 平成18年版 犯罪白書 第6編/第5章 

第5章 司法制度改革

 現在,司法が直面する最重要課題ともいえる司法制度改革は,刑事司法の分野においても,着々と進展している。これまでに,刑事裁判の充実・迅速化を図るための諸施策の導入等を内容とする刑事訴訟法等の一部を改正する法律(平成16年法律第62号。以下「刑訴法等改正法」という。)の一部が施行されたほか,平成21年5月までには,裁判員制度(国民の中から選任された裁判員が裁判官とともに刑事訴訟手続に関与する制度をいう。以下同じ。)を導入することを内容とする裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成16年法律第63号。以下「裁判員法」という。)が全面施行される。
 本章においては,まず,刑事司法の分野における司法制度改革(刑事裁判の充実・迅速化,国選弁護人制度の整備,検察審査会法の改正,総合法律支援法の施行及び裁判員制度の導入)の概要及び進捗状況を紹介し,次に,裁判員制度を実施するに当たり,現在どのような問題があるのかを探り,実施に向けての環境作りについて考えることとする。