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 平成18年版 犯罪白書 第6編/第4章/第3節/2 

2 裁判

(1) 罪名別科刑状況

 強姦(強姦致死傷を除く。)の通常第一審における科刑状況(最近30年間)は,6-4-3-5図のとおりである。

6-4-3-5図 強姦の通常第一審における科刑状況

 5年を超える有期懲役を言い渡された者の比率は,上昇傾向にあり,平成7年には3.7%であったが,17年には23.8%となった。さらに,その内訳を見ると,近時,より長期の有期懲役が言い渡されるようになってきており,10年を超える有期懲役を言い渡された者は,7年には1人であったが,17年には14人となった。また,執行猶予付きの判決を言い渡された者の比率は,低下傾向にあり,7年には36.8%であったが,17年には17.2%となった。
 強姦致死傷においても,同様に,近時,5年を超える有期懲役を言い渡された者の比率が上昇し,平成11年以降は無期懲役も言い渡されるようになり,17年には2人に無期懲役が言い渡された。執行猶予付きの判決を言い渡された者の比率は,低下傾向にあり,7年には31.5%であったが,17年には12.5%となった。
 無期懲役を言い渡した事案の例
 被告人は,1年5か月にわたり,当時3歳から10歳であった女児合計11人に対し,強姦致傷(姦淫は未遂)2件,強姦未遂4件,強制わいせつ5件を敢行した。
 強制わいせつ・同致死傷においても,近時,長期の有期懲役を言い渡された人員が増加している。

(2) 執行猶予の取消し

 強姦及び強制わいせつにより執行猶予となった者の取消事由別執行猶予取消人員(最近5年間)は,6-4-3-6表のとおりである。
 強姦及び強制わいせつにより執行猶予となった者の再犯期間(執行猶予付き判決の言渡しの日から更に罪を犯した日までの期間をいう。)別執行猶予取消人員は,6-4-3-7表のとおりである。

6-4-3-6表 強姦・強制わいせつにより執行猶予となった者の取消事由別執行猶予取消人員

6-4-3-7表 強姦・強制わいせつにより執行猶予となった者の再犯期間別執行猶予取消人員