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 平成18年版 犯罪白書 第6編/第4章/第1節/4 

4 まとめ

 我が国の性犯罪の現状を見ると,近年,強姦及び強制わいせつの認知件数が減少し,一時期,急激に低下した検挙率にも回復の兆しがあるとはいえるが,総じて,なお予断を許さない状況にある。
 強姦や強制わいせつが死傷を伴う重大な結果をもたらすことが少なくないことや,強姦及び強制わいせつのいずれにおいても,未成年者を被害者とする比率が高いことなどは,性犯罪のもたらす被害の深刻さをうかがわせる。
 また,社会で実際に発生しながらも警察に届け出られずに暗数となっている被害が相当あると考えられる上,強姦や強制わいせつ以外の罪名であっても,その主たる動機・原因が性的欲求である犯行が少なくない。
 さらに,強姦及び強制わいせつの検挙人員においては,一般刑法犯検挙人員全体と比べ,同一前科者率は低いものの,再犯者率及び有前科者率が高く,異なる罪種の犯罪経歴を持つ者によって引き起こされる犯行が相当数あることなどが明らかとなった。