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3 検挙人員から見た性犯罪者 (1) 少年・成人別検挙人員等の推移 強姦,強制わいせつ及び一般刑法犯の少年・成人別検挙人員(触法少年の補導人員を含む。)並びに少年比の推移(最近10年間)は,6-4-1-11図のとおりである。
6-4-1-11図 強姦・強制わいせつ等の少年・成人別検挙人員・少年比の推移 強姦の検挙人員(触法少年の補導人員を含む。)を見ると,少年では,平成10年に最近10年間のピークとなった後,減少傾向にあるが,成人では,1,000人前後で増減を繰り返して推移している。また,強制わいせつの検挙人員(触法少年の補導人員を含む。)を見ると,少年では,おおむね横ばい傾向にあるが,成人では,ゆるやかな増加傾向にある。一般刑法犯の検挙人員(触法少年の補導人員を含む。)を見ると,少年では,おおむね横ばい傾向にあるが,成人では,増加傾向にある。強姦の少年比は,平成11年に最近10年間のピーク(31.2%)となった後,低下傾向にある。また,強制わいせつの少年比は,ゆるやかな低下傾向にある。さらに,一般刑法犯の少年比も,9年に最近10年間のピークとなった後,低下を続けている。強姦及び強制わいせつの各少年比の推移は,一般刑法犯の少年比の推移と同様の傾向にある。 (2) 年代別の年齢層別検挙人員人口比の推移 強姦,強制わいせつ及び一般刑法犯の年代別の年齢層別検挙人員人口比の推移(昭和41年・60年・平成17年)は,6-4-1-12図のとおりである。
6-4-1-12図 年代別の年齢層別検挙人員人口比の推移 強姦では,昭和41年には,16歳以上24歳以下の層の人口比が際立って高かったが,その後,この層の人口比が低下し,若年層の人口比が高いという年齢的な特徴は薄れている。また,強制わいせつでも,近時,強姦と同様に年齢的な特徴は薄れている。他方,一般刑法犯では,41年以降,ほぼ一貫して,年齢層が高くなるにつれて,検挙人員人口比が低くなっている。(3) 犯行時の就労状況 平成17年における強姦,強制わいせつ及び一般刑法犯(道路上の交通事故に係る危険運転致死傷を除く。以下,本項において同じ。)各検挙人員の犯行時の就労状況別構成比は,6-4-1-13図のとおりである。
6-4-1-13図 犯行時の就労状況別検挙人員構成比 強姦及び強制わいせつにおける有職者の比率は,一般刑法犯におけるそれの約2倍である。(4) 共犯率の推移 強姦,強制わいせつ及び一般刑法犯各検挙件数に占める共犯率(事件総数に占める共犯による事件数の比率をいう。)の推移(最近10年間)は,6-4-1-14図のとおりである。
6-4-1-14図 共犯率の推移 検挙件数総数及び成人事件(成人単独犯による事件及び成人のみの共犯による事件をいう。)では,強姦の共犯率は,平成12年以降低下傾向にあるが,一般刑法犯の共犯率は上昇傾向にあり,同年以降,強姦の共犯率は,一般刑法犯の共犯率を下回り続けている。強制わいせつの共犯率は,低い水準で横ばい傾向にある。これに対して,少年事件(少年単独犯による事件及び少年のみの共犯による事件をいう。)では,強姦の共犯率は,平成11年以降低下傾向にあるが,一般刑法犯の共犯率は,おおむね横ばい傾向にあり,14年,16年及び17年に,強姦の共犯率は,一般刑法犯の共犯率を下回った。強制わいせつの共犯率は,やはり低い水準で横ばい傾向にある。 強姦の共犯率の低下傾向,すなわち単独犯による事件の比率の上昇傾向は,強姦に特徴的な動向といえる。 (5) 再犯者率・有前科者率等 強姦,強制わいせつ,強盗,傷害及び一般刑法犯の各検挙人員に占める再犯者(前に刑法犯又は特別法犯(道路交通法違反を除く。)により検挙されたことがある者をいう。)の人員の比率(以下,本項において「再犯者率」という。)の推移(最近10年間)は,6-4-1-15図のとおりである。
6-4-1-15図 強姦・強制わいせつ等における再犯者率の推移 いずれも,おおむね横ばい又は上昇傾向にある。強姦,強制わいせつ,強盗及び傷害の再犯者率は,一般刑法犯のそれを上回り続けている。強姦,強制わいせつ,強盗,傷害及び一般刑法犯の各検挙人員に占める有前科者(前に確定裁判(道路交通法違反を除く。)により刑の言渡しを受けたことがある者をいう。)の比率(以下,本項において「有前科者率」という。),同一前科者率(罪種別の検挙人員に占める同一罪種の前科を有する者の人員の比率をいう。)及び前科5犯以上率(検挙人員に占める5犯以上の前科を有する者の人員の比率をいう。)の推移(最近10年間)は,6-4-1-16図のとおりである。 6-4-1-16図 強姦・強制わいせつ等における有前科者率・同一前科者率・前科5犯以上率の推移 有前科者率では,傷害以外は,おおむね横ばい傾向にある。強姦,強盗及び傷害の有前科者率は,一般刑法犯のそれを上回り続け,強制わいせつの有前科者率も,おおむね一般刑法犯のそれを上回り続けている。同一前科者率でも,傷害以外は,おおむね横ばい傾向にある。強姦,強制わいせつ及び強盗の同一前科者率は,一般刑法犯のそれを下回り続けている。 前科5犯以上率では,いずれもやや低下傾向にある。 強姦の前科5犯以上率は,一般刑法犯と同程度であり,他方,強制わいせつは,一般刑法犯と比べ,前科5犯以上率は低い。 強姦及び強制わいせつは,一般刑法犯と比べ,再犯者率及び有前科者率は高い反面,同一前科者率は低い。 |