平成17年12月31日現在，分類処遇制度によるA分類率(処遇困難と予測された者の比率をいう。第2編第5章第2節2(1)参照)は，保護観察処分少年が4.4％，少年院仮退院者が18.2％である。A分類率は，保護観察処分少年は8年以降，少年院仮退院者は5年以降，それぞれ低下傾向にある。少年院仮退院者は，保護観察処分少年よりもA分類率が大幅に高く，更生上の問題を有する者が多いことがうかがわれる。

　平成17年12月31日現在，保護観察処分少年及び少年院仮退院者の類型認定状況(対象者をその特徴的な問題性等によって類型化した状況をいう。第2編第5章第2節2(2)参照)は，4-2-6-7表のとおりである。

4-2-6-7表　少年保護観察対象者の類型認定状況

　保護観察処遇では，福祉施設における介護・奉仕活動，公園清掃等の環境美化活動，陶芸教室・料理教室等の体験学習，農作業，スポーツ活動，レクリエーション活動等に対象者を参加させ，対象者の社会性を育み，社会適応能力を向上させることに努めている。この社会参加活動は，当初，短期保護観察の実施方法の一つとして始められたが，その後，少年の対象者全般に広がっている。
　平成17年度における社会参加活動の実施回数は430回，実施場所数は298か所，対象者参加人数は1,520人(保護者193人を含む。)である。実施回数が多かった活動は，「高齢者等に対する介護・奉仕活動への参加」(実施回数162回)，「創作・体験活動・各種講習等への参加」(同100回)，「清掃・環境美化活動への参加」(同75回)であった(法務省保護局の資料による。)。

社会参加活動の様子(特別養護老人ホームにおける奉仕活動)