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 平成17年版 犯罪白書 第4編/第6章/第5節 

第5節 我が国との比較

 本節においては,主要な犯罪,殺人及び強盗の少年及び青年の各検挙人員の人口比の推移(最近10年間)を,我が国とフランス,ドイツ,英国及び米国の5か国で比較する(ただし,ドイツは,2002年までの9年間とする。)。
 なお,本節において,「主要な犯罪」とは,我が国については,一般刑法犯,フランスについては,交通犯罪等を除く重罪及び軽罪,ドイツについては,交通犯罪等を除く重罪及び軽罪,英国については,正式起訴犯罪及び交通犯罪を除く中間的犯罪,米国については,殺人,強姦,強盗,傷害,窃盗及び放火とする。
 我が国の一般刑法犯及び特定5罪種の少年,青年及び成人別の検挙人員並びに人口比(最近10年間)は,4-6-5-1表のとおりである。
 各国の主要な犯罪,殺人及び強盗の少年及び青年の各検挙人員の人口比の推移(最近10年間)は,4-6-5-2図のとおりである。
 主要な犯罪について,各年齢層の検挙人員の人口比を,高いものから順に見ると,各年とも,我が国は,少年,青年,成人の順であるのに対し,フランスは,少年,成人の順,ドイツ,英国及び米国は,青年,少年,成人の順であった。
 次に,各国の少年人口比の推移を見ると,我が国及びフランスは,おおむね上昇傾向にあり,ドイツは,1998年まで上昇傾向にあったが,その後低下傾向にあり,英国及び米国は,おおむね低下傾向にある。
 また,各国の青年人口比の推移を見ると,我が国及びドイツは,おおむね上昇傾向にあり,英国及び米国は,おおむね低下傾向にある。
 殺人について,各年齢層の検挙人員の人口比を,高いものから順に見ると,我が国は,成人,青年,少年の順となる年,青年,成人,少年の順となる年,成人と青年がほぼ同じで次に少年の順となる年がほぼ同数あるが,少年は常に最下位となっている。
 フランスは,各年とも,成人,少年の順である。ドイツは,各年とも,青年,少年,成人の順である。英国は,各年とも,青年,成人,少年の順である。米国は,1998年までは,青年,少年,成人の順であったが,翌1999年以降は,成人が少年を上回り,青年,成人,少年の順である。
 次に,各国の少年人口比の推移を見ると,我が国,フランス及び英国は,おおむね横ばい傾向にあるのに対し,ドイツ及び米国は,おおむね低下傾向にある。
 また,各国の青年人口比の推移を見ると,我が国は,おおむね横ばい傾向にあるのに対し,ドイツ及び米国はほぼ低下傾向にあり,英国は,2001年までおおむね上昇傾向にあったが,その後低下している。
 強盗について,各年齢層の検挙人員の人口比を,高いものから順に見ると,各年とも,我が国,英国及び米国は,青年,少年,成人の順であり,フランスは,少年,成人の順,ドイツは,少年,青年,成人の順である。
 次に,各国の少年人口比の推移を見ると,我が国は,おおむね上昇傾向にあるのに対し,フランスは2001年まで,ドイツは1997年まで,それぞれ上昇傾向にあったが,その後,低下傾向にあり,英国は,1994年から1996年まで上昇していたが,その後低下し,再び2000年から2002年まで上昇した後,2003年は低下している。米国は,一貫して低下している。
 また,各国の青年人口比の推移を見ると,我が国は,おおむね上昇傾向にあるが,ドイツは,1997年まで上昇した後,低下している。英国は,1996年まで上昇した後,1999年まで低下し,再び2001年まで上昇した後,低下している。米国は,ほぼ低下傾向にある。

4-6-5-1表 一般刑法犯・特定5罪種の少年・青年・成人別検挙人員・人口比(日本)

4-6-5-2図 5か国の主要な犯罪・殺人・強盗の少年・青年別検挙人員人口比の推移