前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成17年版 犯罪白書 第4編/第6章/第4節/3 

3 少年司法の運用

 少年裁判所における非行事件の罪種別処理件数(最近10年間)は,4-6-4-3表のとおりである。
 非行事件総数は,1991年(133万8,100件)以降おおむね増加傾向にあったが,1999年に減少に転じ,2000年は163万3,300件となった。罪種別構成比を見ると,1991年には財産犯が約60%を占めていたが,財産犯の比率は,低下傾向にあり,2000年には約40%となった。これに対し,薬物犯及び公共犯の上昇が著しい。

4-6-4-3表 少年裁判所における非行事件の罪種別処理件数(米国)

 少年裁判所の非行事件の処理区分別件数(最近5年間)は,4-6-4-4表のとおりである。

4-6-4-4表 少年裁判所における非行事件の処理区分別件数(米国)

 審判不開始の比率は,やや低下しており,1996年には44.1%であったが,2000年は42.4%となった。
 少年裁判所の管轄権の放棄・刑事裁判所への移送の比率は,1%未満である。
 処分の内容を見ると,施設収容処分の比率は,審判不開始においては0.2〜0.4%,審判開始において非行事実認定の場合には9%台で,おおむね横ばいである。
 2000年の少年裁判所における非行事件の罪種別処理件数は,4-6-4-5表のとおりである。
 非行事実認定の場合に施設収容処分となる比率は,公共犯が11.0%と最も高い。

4-6-4-5表 少年裁判所における罪種別の非行事件処理区分別件数(米国)

 罪種別放棄・移送件数の推移(最近10年間)は,4-6-4-6図のとおりである。
 1991年には財産犯が全放棄・移送事件の40%以上を占めていたが,2000年は人身犯が財産犯を上回った。

4-6-4-6図 罪種別放棄・移送件数の推移(米国)