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2 入・退所状況 (1) 新入所人員の推移 少年鑑別所新入所人員の推移(昭和24年以降)は,4-4-3-1図のとおりである。
4-4-3-1図 少年鑑別所新入所人員の推移 少年鑑別所新入所人員は,昭和60年以降平成7年まで減少傾向を示していたが,8年に増加に転じ,13年には少年非行の第三の波とされる昭和50年代後半を上回った。平成16年は2万1,031人(前年比8.8%減)であった(巻末資料4-11参照)。16年の新入所人員の内訳は,観護措置による者が全体の85.9%を占め,次いで,勾留に代わる観護措置による者が10.8%を占めている。そのほか,わずかではあるが,勾留,留置等による者も含まれている(矯正統計年報による。)。(2) 新入所者の特徴 ア 年齢 少年鑑別所新入所者の男女別の年齢別構成比の推移(昭和57年以降)は,4-4-3-2図のとおりである。
総じて,男子より女子の方が,低年齢で収容される比率が高い。男女ともに,年長少年の比率が低下し,低年齢の少年の比率が上昇する傾向にある。 4-4-3-2図 少年鑑別所新入所者の男女別の年齢別構成比の推移 イ 非行名 平成16年の少年鑑別所新入所者の男女・年齢層別の非行名別構成比は,4-4-3-3図のとおりである。
(ア) 男子 すべての年齢層で,窃盗の比率が最も高い。
年少少年では,窃盗が44.3%と最も高く,次いで,傷害・暴行(19.1%),恐喝(8.8%)の順であった。中間少年では,窃盗が42.9%と最も高く,次いで,道路交通法違反(13.7%),傷害・暴行(13.0%)の順であった。年長少年では,窃盗が38.4%と最も高く,次いで,傷害・暴行(13.8%),道路交通法違反(11.9%)の順であった。 (イ) 女子 年齢層が上がるにつれて,虞犯の比率が低下し,反対に,覚せい剤取締法違反の比率が上昇している。
年少少年では,虞犯が36.3%と最も高く,次いで,傷害・暴行(19.9%),窃盗(19.3%)の順であった。中間少年では,窃盗が23.8%と最も高く,次いで,虞犯(17.5%),傷害・暴行(17.0%)の順であった。年長少年では,覚せい剤取締法違反が22.2%と最も高く,次いで,窃盗(21.9%)であった。 4-4-3-3図 少年鑑別所新入所者の男女・年齢層別の非行名別構成比 (3) 退所事由 少年鑑別所退所人員の退所事由別構成比の推移(最近30年間)は,4-4-3-4図のとおりである。
最も比率が高い退所事由が保護観察であり,次いで,少年院送致であることに変化はないが,近年,保護観察の比率が上昇傾向にある一方,試験観察の比率は,低下傾向にあり,平成15年には観護措置の取消しを下回った。平成16年は,保護観察9,206人(40.4%),児童自立支援施設・児童養護施設送致330人(1.4%),少年院送致5,307人(23.3%),知事・児童相談所長送致124人(0.5%),検察官送致381人(1.7%),審判不開始・不処分370人(1.6%),観護措置の取消し2,335人(10.2%),試験観察2,308人(10.1%)であった。 4-4-3-4図 少年鑑別所退所人員の退所事由別構成比の推移 少年鑑別所の生活少年鑑別所に入所した少年は,イラストのような生活をしています。少年鑑別所は,性別,年齢,性格,経歴,入所回数,共犯関係等を考慮して生活する部屋を決めています。 少年鑑別所では,まず明るく静かな環境の下で規則正しい生活を送らせ,健康的な生活習慣を取り戻させます。また,審判前は処分に対する不安が一層高まるものですが,できる限りそれを取り除き,落ち着いて審判を受けられるように配慮しています。 |