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2 裁判所における処理状況 (1) 概況 通常第一審(地方裁判所及び簡易裁判所に限る。以下,本項において同じ。)における外国人事件(外国人が被告人となった事件をいう。以下,本項において同じ。)及び通訳・翻訳人の付いた外国人事件の有罪人員の推移(最近10年間)は,2-6-4-5図のとおりである。
外国人事件は,全体としても,通訳・翻訳人の付いた事件も,おおむね増加傾向にある。平成16年における外国人事件の有罪人員は1万2,414人,通訳・翻訳人の付いた外国人事件の有罪人員は1万1,094人であり,通常第一審の有罪人員総数に占める外国人事件の有罪人員の比率は,13.4%であった(司法統計年報及び最高裁判所事務総局の資料による。)。 2-6-4-5図 外国人事件の有罪人員の推移 平成16年における通常第一審の被告人通訳事件(被告人に通訳・翻訳人の付いた外国人事件をいう。以下,本項において同じ。)の終局総人員は1万1,163人であり,通訳言語の総数は40言語に及んでいる。通訳言語別の内訳を見ると,中国語が4,862人(43.6%)と最も多く,次いで,韓国・朝鮮語1,230人(11.0%),タガログ語834人(7.5%),スペイン語547人(4.9%),タイ語531人(4.8%),ポルトガル語495人(4.4%),英語333人(3.0%)の順であった。これらのうち,上位3言語は,10年以降順位に変動がない(最高裁判所事務総局の資料による。)。(2) 科刑状況 平成16年の通常第一審における被告人通訳事件の有罪人員の主要罪名別科刑状況(罰金以下の刑を除く。)は,2-6-4-6表のとおりである。
被告人通訳事件の有期懲役・禁錮の執行猶予率は,84.7%であり,日本人有罪人員の有期懲役・禁錮の執行猶予率(59.9%)よりもかなり高い。これは,被告人通訳事件の60%以上を占める入管法違反の執行猶予率が非常に高い(95.1%)ことによるものであり,入管法違反を除いた場合の執行猶予率は,66.1%であった。 2-6-4-6表 通常第一審被告人通訳事件の主要罪名別科刑状況 通常第一審における被告人通訳事件の有罪人員(懲役・禁錮)の刑期別構成比の推移(最近10年間)は,2-6-4-7図のとおりである。10年間を通して見ると,刑期「1年未満」の者の占める比率が低下する一方,「2年以上3年以下」の者の占める比率が上昇している。 2-6-4-7図 通常第一審被告人通訳事件の有罪人員の刑期別構成比の推移 |