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 平成17年版 犯罪白書 第2編/第5章/第1節 

第5章 更生保護

第1節 更生保護と関係機関

 更生保護とは,犯罪者や非行少年が社会の中で健全な社会人として更生するように指導・援助すること及びその制度をいう。その主な内容は,[1]仮釈放の審理・決定,[2]保護観察の実施,[3]刑事手続又は保護処分による身体の拘束を解かれた者に対する更生緊急保護,[4]恩赦関係事務,[5]地域住民の犯罪予防活動の助長等である。
 更生保護の機関は,法務省に置かれる保護局及び中央更生保護審査会,高等裁判所の管轄区域ごとに置かれる地方更生保護委員会(8庁。以下,本章において「地方委員会」という。),並びに地方裁判所の管轄区域ごとに置かれる保護観察所(50庁)である。
 保護局は,更生保護に関する事務を所掌する法務省の内部部局である。中央更生保護審査会は,委員長と委員4人で組織する合議制の機関であり,法務大臣に対する個別恩赦の申出等の権限を有している。
 地方委員会は,3人以上12人以下の委員で組織する合議制の機関であり,仮釈放の許否の決定等の権限を有している。
 保護観察所は,保護観察の実施,更生緊急保護,犯罪予防活動の助長等の事務を行っている。
 保護観察官は,地方委員会事務局(119人)及び保護観察所(997人)に置かれ(平成17年4月1日現在。法務省保護局の資料による。),保護観察,人格考査その他犯罪者の更生保護及び犯罪の予防に関する事務に従事している。
 これらの機関に加えて,保護司,更生保護法人,BBS会,更生保護女性会,協力雇用主等多くの民間篤志家・団体が,更生保護の活動に参加・協力している。