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 平成17年版 犯罪白書 第1編/第4章/第2節/2 

2 刑法犯

 外国人による一般刑法犯(道路上の交通事故に係る危険運転致死傷を除く。以下,本節において同じ。)の検挙件数及び検挙人員の推移(昭和55年以降)は,1-4-2-1図のとおりである。

1-4-2-1図 外国人による一般刑法犯の検挙件数・検挙人員の推移

 検挙件数は,平成11年をピークとして2年連続して減少したが,14年以降再び増加しており,16年は過去最多の4万1,836件(前年比11.5%増)となった。
 検挙人員は,平成11年以降増加しており,16年は昭和55年以降最多の1万4,766人(前年比1.6%増)となった。同年における一般刑法犯の検挙人員総数は38万9,027人であり,このうち外国人の占める比率は3.8%である。
 外国人による一般刑法犯の検挙件数及び検挙人員の推移(昭和55年以降)を,来日外国人とその他の外国人の別に見ると,1-4-2-2図のとおりである。
 来日外国人による一般刑法犯の検挙件数及び検挙人員は,昭和55年以降増加傾向にあり,検挙人員においては平成3年以降,検挙件数においては5年以降,来日外国人がその他の外国人を上回っている。16年は,来日外国人による一般刑法犯の検挙件数が3万2,087件(前年比17.7%増),検挙人員が8,898人(同2.0%増)となり,いずれも昭和55年以降最多となった。

1-4-2-2図 外国人による一般刑法犯の検挙件数・検挙人員の推移(来日・その他別)

 平成16年の来日外国人による一般刑法犯の検挙件数を都道府県別に見ると,東京都が6,357件と最も多く,次いで,愛知県(4,366件),埼玉県(3,055件),群馬県(2,714件),神奈川県(2,391件)の順であった(警察庁刑事局の資料による。)。
 来日外国人による一般刑法犯の検挙件数は,最近5年間に全国で39.8%増加した。平成16年の各都道府県別の同検挙件数を,12年を100とした指数で見ると,東京都及び指定都市がある道府県では,埼玉県295.2,宮城県288.5,愛知県193.8,京都府171.9,東京都139.4,静岡県125.3,北海道117.9,神奈川県116.5と増加している一方,千葉県及び大阪府がそれぞれ77.9,広島県59.9,福岡県46.4,兵庫県41.6と減少している。これら以外の県(12年の検挙件数が100件以上あったものに限る。)を見ると,群馬県が603.1と最大の増加率を示し,次いで,石川県(494.4),滋賀県(493.1),栃木県(366.0),長野県(341.7)の順であった(警察庁刑事局の資料による。)。
 来日外国人による犯罪は,当初,首都圏において集中的に発生したと指摘されているが,近年,地方に拡散する傾向がうかがわれ,特に,一部地方では急激に増加している。
 来日外国人による窃盗の検挙件数の推移(最近10年間)は,1-4-2-3図[1]のとおりである。
 窃盗の検挙件数は,増加傾向が続いた後,平成11年をピークとして2年連続して減少したが,14年から再び増加に転じ,16年は過去最多の2万7,521件(前年比20.5%増)であった。種類別に見ると,非侵入盗は,16年は1万7,546件(同32.5%増)であった。侵入盗は,ここ数年おおむね増加傾向にあり,16年は8,396件(同1.0%減)であった。
 来日外国人による強盗の検挙件数の推移(最近10年間)は,1-4-2-3図[2]のとおりである。
 ここ数年増加傾向にあり,平成16年は過去最多の269件であった。

1-4-2-3図 来日外国人による窃盗・強盗の検挙件数の推移