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 昭和39年版 犯罪白書 第三編/第一章/四/8 

8 被服,寝具,食器,雑具類

 現行の被収容者の被服,寝具,食器,雑具など生活用品の制式は,昭和一九年,戦時下の特殊事情のもとに簡素化したものを基礎とし,その部分改正によって,現在に至ったものである。しかし,材料,色彩,型式,サイズ等の面で,実情にそぐわない点が多いので,法務省当局では,かねてから,抜本的改正を企図してきたが,昭和三八年秋には,成案を得,これを公表した。この案では,たとえば,昭和二二年に廃止したしゃ色(柿色)とともに徳川時代以来の伝統であったあさぎ色が廃止され,近代的な茶系統の色彩の衣類,寝具,白または灰色あるいはらくだ色の下着類,灰色の寝巻などの採用をはじめ,作業衣の近代化や,化繊製品の大幅な利用が考えられている。矯正の目的達成のための基礎条件として,このような生活環境の改善は,きわめて重要な問題であり,一日も早く実現することを期待するものである。