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昭和三七年中に検察官が控訴を申し立てた事件の被告人の総数は一,三一二人であり,そのうち検察官のみが控訴したものは九一九人,検察官と被告人側の双方から控訴したものが三九三人である。
そして,検察官控訴の事件で,昭和三七年中に控訴審の判決が下された総数は一,〇八四人であり,その判決の内容はII-11表のとおりである。 II-11表 検察官控訴事件裁判結果(昭和37年) この表で最も多いのは,刑を重くしたもので四七・八%,次に多いのは,控訴棄却で二九・五%である。検察官控訴の理由のあったことが明らかなものは,刑を重くしたものと,あらたに有罪となったもので,その合計は総数の五六・七%を占めている。次に,第一審判決が無罪であったものに対し,検察官が控訴した数は一四二人で,その内訳は,法令違反を控訴理由とするものが三二人,事実誤認を控訴理由とするものが一一〇人となっている。そして,その控訴判決の結果をみると,破棄自判して,あらたに有罪としたもの九七人(六八・三%),破棄差もどし・破棄移送六人(四・二%),控訴棄却三六人(二五・三%)である。あらたに有罪となったものを控訴理由別にみると,法令違反が二〇人で六二・五%の率となり,事実誤認は七七人で七〇%の率となっている。 次に検察官上告であるが,昭和三七年中に検察官が上告を申し立てた事件の被告人の総数は九四人で,そのうち,検察官のみが上告申立てをしたものが七五人,双方から申し立てたものが一九人である。 検察官が上告した事件で,昭和三七年中に上告審の判決のあったものの総数は二八人であり,その内容は,破棄自判して,あらたに有罪としたものが六人,破棄差もどし,破棄移送が一〇人,上告棄却が一二人となっている。 |