3 仮釈放の運用に関する各種の施策
(1) 仮釈放準備調査制度と施設駐在官制度 仮釈放審理の充実及び矯正施設収容者のより円滑な社会復帰を図ることを目的として,地方委員会が仮釈放の申請を受理する前に,地方委員会事務局の保護観察官が,矯正施設へ出向いて本人と面接し,社会復帰上の問題点を把握するとともに,必要な措置等について矯正施設の職員と協議を行う仮釈放準備調査が実施されている。平成15年にこの調査を実施した人員は,受刑者3万3,151人(前年より1,437人増加)及び少年院在院者9,495人(同245人減少)の合計4万2,646人(同1,192人増加)であった(法務省保護局の資料による。)。 また,この仮釈放準備調査を充実させるために,地方委員会事務局の保護観察官を行刑施設に駐在させる施設駐在官制度が,現在,10施設の大規模刑務所において実施されている。
(2) 長期刑受刑者に対する仮出獄審理の充実強化 無期刑及び長期刑の受刑者は,重大な事件を起こしており,仮出獄の審理及び決定に特に慎重な配慮を必要とする上,資質,環境等の面で問題のある者が少なくない。このため,地方委員会では,無期刑受刑者及び執行すべき刑期が8年以上の長期刑受刑者の仮出獄審理に当たっては,主査委員による複数回の面接や複数委員による面接を行うなど,本人の心身の状況,被害者感情を始めとする関係事項について特に周到な調査と審理を尽くすとともに,本人に対する指導・助言,帰住予定地の環境調整等に格別の配慮をしている。
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