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 平成16年版 犯罪白書 第2編/第5章/第2節/2 

2 仮出獄の運用

(1) 仮出獄申請受理人員,仮出獄人員及び仮出獄率

 平成15年において,仮出獄申請受理人員は1万7,452人(前年より279人,1.6%増加),仮出獄人員は1万5,784人(同466人,3.0%増加),仮出獄率(出所受刑者に占める仮出獄者の比率)は56.0%(同0.1ポイント低下)であった。
 なお,近年,拘留受刑者及び労役場留置者の仮出場申請は平成12年及び14年に各1人(いずれも許可)あったが,婦人補導院からの仮退院申請は昭和58年以降ない(保護統計年報及び矯正統計年報による。)。

(2) 仮出獄申請の棄却率

 2-5-2-1表は,最近3年間に地方委員会が決定した仮出獄事件について,仮出獄申請に対する棄却率を,刑の種類・刑期別に見たものである。無期刑及び5年を超える有期刑の棄却率は,5年以下の有期刑と比べて高く,平成15年は,無期刑が6.3%,5年を超える有期刑が12.8%となっている。

2-5-2-1表 刑の種類・刑期別仮出獄許否状況

(3) 帰住予定地の環境調整

 保護観察所においては,行刑施設及び少年院における被収容者の社会復帰を円滑にするため,その者が収容された直後から継続的に,家族その他の引受人との調整を行い,本人の社会復帰のためにふさわしい環境を準備する環境調整を実施している。
 環境調整の件数は,受刑者の増加に伴って増加し,平成15年には,受刑者4万5,399人(前年より1,402人増加)及び少年院在院者6,841人(同406人減少)の計5万2,240人(同996人増加)について,新たに環境調整が実施され,同年12月31日現在,受刑者及び少年院在院者を併せて5万9,063人(同2,755人増加)について環境調整が続けられている(保護統計年報による。)。