在外公館が邦人保護事務を通じて把握した日本人の国外における犯罪被害状況を見ると，平成15年は，6,253件（前年比12.0％減），7,004人（同14.8％減）であった（外務省領事局の資料による。）。
　1-5-3-1図は，平成15年に日本人が国外において受けた犯罪被害の類型別構成比を見たものである。その内訳を見ると，被害の大半は窃盗で，総件数の77.3％（4,832件）を占め，以下，強盗11.0％（686件），詐欺6.9％（430件）となっている。
　これを被害地域別に見ると，ヨーロッパ地域の41.5％（2,598件），アジア地域の31.1％（1,942件），北アメリカ地域の10.5％（657件）の順に多い。この三つの地域について，被害内容を見ると，ヨーロッパ地域では，窃盗86.5％（2,246件），強盗9.2％（240件），詐欺3.1％（81件），アジア地域では，窃盗67.3％（1,307件），詐欺14.1％（273件），強盗10.7％（208件），北アメリカ地域では，窃盗85.8％（564件），強盗4.4％（29件），詐欺3.7％（24件）の順であり，いずれの地域においても窃盗が大半を占めている。
　また，犯罪被害による死亡者数は，平成4年以降（6年までは会計年度，7年以降は暦年），10人台から20人台で推移しており，15年には27人であった。一方，傷害・暴行，強盗等の犯罪による負傷者数は，15年には275人と前年より50人減少したが，6年の119人と比較すると約2.3倍となっている。

1-5-3-1図　日本人の国外における犯罪被害の類型別構成比