第5節 精神障害者の犯罪 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号。以下,本節において「精神保健福祉法」という。)は,「精神障害者」を,精神分裂病,精神作用物質による急性中毒又はその依存症,知的障害,精神病質その他の精神疾患を有する者をいうと定義している。 また,刑法39条は,[1]心神喪失者の行為は罰しない,[2]心神耗弱者の行為はその刑を減軽すると規定している。このため刑事裁判においては,精神の障害によって,自己の行為の是非善悪を弁別する能力を欠くか,又はその能力はあるがこれに従って行動する能力がない者は,心神喪失者として処罰することができず,また,このような弁別能力又は弁別に従って行動する能力が著しく低い者は,心神耗弱者として刑が減軽される。
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