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 平成16年版 犯罪白書 第1編/第2章/第4節/3 

3 女性犯罪者の処遇

(1) 検察庁における処理状況

 1-2-4-5図は,最近10年間における一般刑法犯及び特別法犯(道交違反を除く。)の検察庁終局処理人員及び起訴猶予率の推移を男女別に見たものである。男子の起訴猶予率が20%台後半から30%前後で推移しているのに対し,女子の起訴猶予率は,おおむね40%台後半から50%台前半を推移しており,平成15年は51.4%であった。

1-2-4-5図 男女別検察庁終局処理人員・起訴猶予率の推移

(2) 矯正処遇における女性犯罪者

 1-2-4-6図は,最近10年間における女子新受刑者数及び女子比(新受刑者に占める女子の比率)の推移を見たものである。平成15年の新受刑者数は,3万1,355人で,前年と比べて1,078人(3.6%)の増加となっており,うち女子新受刑者は1,867人で,前年より162人(9.5%)増加した。女子比は,前年より0.4ポイント上昇し,6.0%であった。

1-2-4-6図 女子新受刑者数及び女子比の推移

 1-2-4-7図は,最近10年間における出所受刑者数及び仮出獄率の推移を男女別に見たものである。出所受刑者数は,男女とも増加を続けている。一方,仮出獄率は,男子においては50%台半ば,女子においては80%前後で推移している。

1-2-4-7図 男女別出所受刑者数・仮出獄率の推移

(3) 保護観察処遇における女性犯罪者

 1-2-4-8図は,最近10年間における男女別保護観察付き執行猶予終了人員及び執行猶予取消しで終了した者の比率を見たものである。保護観察付き執行猶予終了人員は,横ばいないし増加傾向にある。一方,犯罪や遵守事項違反によって執行猶予が取り消された者の比率は,男子においては30%台,女子においては20%台で増減を繰り返しており,平成15年では男子が34.3%,女子が22.5%となっている。

1-2-4-8図 男女別保護観察付執行猶予終了人員・執行猶予取消率の推移

 1-2-4-9図は,最近10年間における男女別仮出獄終了人員及び仮出獄取消しで終了した者の比率の推移を見たものである。仮出獄者の増加に伴って,仮出獄終了人員も増加傾向にある。一方,犯罪や遵守事項違反によって仮出獄が取り消された者の比率は,男子においては7%前後で横ばいないし減少傾向であるのに対し,女子においては男子と比較してやや低い比率であるが,近年上昇傾向を示しており,平成15年は6.0%であった。

1-2-4-9図 男女別仮出獄終了人員・仮出獄取消率の推移