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5 外国人犯罪者に対する矯正及び更生保護 (1) 矯正 平成15年の外国人新受刑者は,2,150人であり,前年より183人(9.3%)増加している(矯正統計年報による。)。
外国人受刑者のうち,日本人と異なる処遇を必要とする者は収容分類級F級に分類され,その文化及び生活習慣等に応じた処遇が行われている。平成15年におけるF級新受刑者は1,584人であり,同年12月末日現在におけるF級受刑者は3,010人である(矯正統計年報による。)。 なお,詳細は,第5編第3章第2節3を参照されたい。 (2) 更生保護 平成15年における来日外国人の保護観察対象者の新規受理人員は,前年より100人増加して1,303人であった。これを保護観察の種類別に見ると,仮出獄者(1,037人)が最も多く,以下,保護観察処分少年(176人),少年院仮退院者(60人),保護観察付き執行猶予者(30人)の順となっている(保護統計年報による。)。
1-2-2-12図は,最近10年間における各年12月末日現在の保護観察係属中の外国人人員(永住者及び特別永住者を除く。以下,本項において同じ。)の推移を見たものである。外国人の保護観察係属人員は一貫して増加しており,平成15年は,前年より236人(19.0%)増加して1,479人であった(法務省保護局の資料による。)。 なお,平成15年12月末日現在の仮出獄による保護観察係属中の外国人人員881人中826人(93.8%)が退去強制事由に該当し,そのうち仮放免中が2人いるほか,収容中が153人,国外退去済みが671人であった(法務省保護局の資料による。)。 1-2-2-12図 保護観察係属中の外国人人員の推移 1-2-2-13表は,平成13年から15年までの各年12月末日現在における保護観察係属中の外国人人員を,国籍等別及び保護観察の種類別に見たものである。アジア地域出身者が最も多く,次いで,アメリカ地域出身者となっており,この両者で総数の9割を超えている。15年について,国籍等別に見ると,中国(台湾を含む。)が461人で最も多く,次いで,ブラジル280人,韓国・朝鮮209人,イラン111人の順となっている。なお,少年については,ブラジル国籍の保護観察処分少年及び少年院仮退院者が合計199人と非常に多い。1-2-2-13表 保護観察係属中の外国人国籍等別人員 ●F級(P82) 日本人と異なる処遇を必要とする外国人受刑者の収容分類級のことをいいます。日本語の理解力若しくは表現力が不十分なこと又は日本人と風俗習慣を著しく異にすることにより処遇上特別の配慮を要する者などが対象となります。 |