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 平成15年版 犯罪白書 第2編/第3章/第2節/3 

3 上訴審

 平成14年の通常第一審の終局裁判に対する控訴率を見ると,地方裁判所では11.7%,簡易裁判所では5.4%となっており,前年と同水準である。14年の高等裁判所における控訴事件の終局処理人員は8,347人で,これを受理区分別に見ると,被告人側のみの控訴申立てによるものが8,111人,検察官のみの控訴申立てによるものが184人,双方からの控訴申立てによるものが49人,その他の受理が3人となっている(司法統計年報による。)。
 2―3―2―4表は,平成14年に高等裁判所が控訴審として処理した結果を,罪名別に見たものである。控訴棄却が最も多く,全体の64.6%を占め,次いで取下げが19.7%,破棄自判が15.4%となっている。
 高等裁判所における破棄理由を見ると,破棄人員総数1,292人中,判決後の情状によるものが818人で最も多く,次いで,量刑不当300人,事実誤認119人等の順となっている。破棄自判の結果,第一審の裁判が覆って無罪となった者は21人で,控訴審終局総人員の0.3%となっている(司法統計年報による。)。
 平成14年において,検察官が第一審の無罪判決を不服として控訴した31人の被告人のうち20人については,第一審判決が覆されて有罪となっている(検察統計年報による。)。
 平成14年に言い渡された控訴審の終局裁判に対する上告率を見ると42.2%であり,第一審の終局裁判に対する控訴率よりも高くなっている。最高裁判所の上告事件の新規受理人員は2,436人,終局処理人員は2,495人で,その内訳は,上告棄却1,790人(71.7%),取下げ694人(27.8%),公訴棄却9人,破棄自判1人,破棄差戻し・移送1人となっている(司法統計年報による。)。

2―3―2―4表 罪名別控訴審終局処理人員