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 平成14年版 犯罪白書 第5編/第4章/第2節/2 

2 少年の不良集団属性の推移

 保護観察処分少年の不良集団との関係について,平成13年において新規受理人員の多い強盗,傷害,恐喝の3つの罪種別に推移を見たものが5-4-2-2図,同様に少年院仮退院者について見たものが5-4-2-3図である。まずこの両図を全体で比較すると,おおむねどの罪種についても,少年院仮退院者の方が保護観察処分少年に比べ不良集団関係者の割合が高いことが分かる。

5-4-2-2図 保護観察処分少年の罪種別不良集団関係

5-4-2-3図 少年院仮退院者の罪種別不良集団関係

 保護観察処分少年について推移を見ると,構成比では,傷害と恐喝で暴走族関係者の割合が低下傾向にあり,総じて,不良集団関係者が減少する傾向にあるといえる。しかし,人員数で見ると,不良集団関係者はどの罪種でも増加傾向にあることに留意する必要がある。
 次に,少年院仮退院者について見ると,傷害では,起伏を繰り返しながらも暴走族関係者の割合が高く,この種の粗暴犯は,暴走族と関係することに影響されて起こす犯罪であることがうかがわれるとともに,粗暴な者が暴走族で群れやすい傾向にあると見ることも可能である。恐喝は,特異な動向を示しており,構成比で見る限り,暴力団関係者の割合が低下する一方で,暴走族関係者の割合が上昇している点が注目される。
 総じて,少年の保護観察対象者では,不良集団に関係「なし」の者が人員の上でも構成比の上でも増加傾向にあるが,不良集団関係者の数そのものが減少しているわけではなく,保護観察処遇上,暴走族等不良集団と関係のあるものについての対策の必要性はむしろ増しているとさえいえる。また,暴力団関係者の割合が低下している点についても,現実的には暴走族に地域社会で種々の影響を与えている暴力団の存在も指摘でき,その意味で暴力団関係の問題は,暴走族問題の背後に隠れている可能性も少なくなく,この点についても保護観察処遇上引き続き配意していく必要があると思われる。